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弁護士 松尾 善紀(まつお よしのり)

経歴

昭和44年 兵庫県西宮市にて生まれ、大阪府枚方市で育つ

私は大阪府枚方市の中小企業団地と呼ばれる、中小企業の工場や事業所の密集地帯に併設された社宅や社員寮が立ち並ぶ地区で育ちました。

当時はまだとてものんびりとしており、近くには池、川、竹林、雑木林、公園、空き地が多数あって、同じ社宅(団地)の友達と日が暮れるまで遊ぶなどして、のびのびと育ちました。

昭和60年 中学2年時に滋賀県甲賀市へ転居していたため、滋賀県の膳所高校に入学
平成元年 京都大学法学部に入学し、京都市内で下宿生活

私が大学に入学した翌年の平成2年に、現在の同僚である中村正彦弁護士が同じクラスの1学年下の学生として入学してきました。

中村弁護士とはその年の新歓コンパで初めて出会って以来の付き合いですから、まさに戦友です。

平成4年 司法試験の受験勉強を始める(22歳)

大学時代に、京都市内の共同作業所で働く知的障害者の人たちと一緒にハイキングに行ったり、運動会をしたり、バザーを開催したりなどの活動をする学生ボランティアサークルに所属していたのですが、このボランティアサークルには、人間的にも魅力的で能力的にも非常に優れた先輩方が多数いました。

特に法学部の先輩方は、社会的に弱い立場の人や困っている人、苦しんでいる人たちの為に、司法の力による救済で、少しでも弱い立場の人たちが安心して暮らせる世の中を作り上げていきたいと、青臭くも、真剣に考えており、私もそうした先輩方の考えに影響を受けて、司法試験の勉強をするようになりました。

平成8年 司法試験合格(26歳)
平成9年 京都大学法学部卒業
同年 最高裁判所司法研修所司法修習生(第51期)
平成11年 大阪弁護士会に弁護士登録(29歳)し、クレジット・サラ金問題の先駆者であり、消費者被害救済に携わる弁護士のリーダー的存在であった木村達也弁護士の事務所で弁護士執務をスタートする

木村達也弁護士の事務所は、多重債務被害救済の最前線であったため、入所当初から、個人債務者の多重債務事件や中小事業者の倒産処理事件を数多く手がけました。

当時は、サラ金・商工ローンの全盛期で、生活費や事業の運転資金にあてるため、やむを得ず高利の借入れをしたが最後、いくら返済をしても、借金が減るどころか逆に雪だるま式に膨らんで二進も三進もいかず、どうにも首が回らなくなったというような借金の相談が非常に多く、こうした人たちの平穏な生活、経済的にも精神的にも安心して落ち着いた日々の暮らしを取り戻すために奔走していました。

加えて、顧問先の経営に関するトラブル全般、労働問題、その他一般民事事件に家事事件から刑事弁護事件まで、数多くの事件を担当させていただいたため、激務ではありましたが、弁護士として随分鍛えられました。

平成22年 弁護士法人松尾・中村・上法律事務所開設(共同経営者)。現在に至る

モットー

「柔軟に、かつ、忍耐強く」

法律の力や弁護士の力も万能ではなく、全ての問題が解決できるわけではありませんが、法律家としては冷静に、人としては温かい心で依頼者に寄り添い、人生の中で試練の時を迎えておられる、問題や悩みを抱えて苦しんでおられる方の人生の再出発のお手伝いができたときに、心から喜んで頂けることが私の弁護士としての生き甲斐です。

一家言あり

消費者問題(消費者側・企業側)・多重債務問題について

私は、弁護士登録時から現在に至るまで、ライフワークとして多重債務問題・悪質商法被害などの消費者問題における被害救済活動に取り組んできました。

この間、いくつかの法改正によって、被害救済の途が開かれてはきましたが、依然、道半ばであるのが現状です。

とりわけ消費者問題については、近時のインターネット取引の普及もあり、日々新しい手口の被害が生じており、悪質業者と法規制のいたちごっこが続いている状態であるため、常に最先端の情報や知識を元に、被害救済のための最善の解決ができるよう心がけています。

消費者問題は、企業側から見ても、極めて重要な問題です。

消費者からの苦情やクレームへの対応を適切かつ迅速に行うためには、業種に応じた様々な消費者保護規制の内容のみならず、消費者からの苦情処理・解決の実情に関する正確な知識と実務経験が必要不可欠です。

同僚弁護士からのコメント

上 将倫弁護士から

松尾弁護士は、クレジット取引被害、悪質商法被害における日本有数の専門家です。悪質商法をなくすための法改正運動に取り組んで、国会議員を説得。割賦販売法や特定商取引法の法改正に繋がりました。日本弁護士連合会の消費者問題対策委員会の副委員長の職務も立派に務めました。そのコメントは、しばしばマスコミ等でも取り上げられています。

弁護士としての事件に対する取り組みは、大胆かつ緻密です。常識にとらわれない斬新な視点で裁判所を説得し、数々の難事件を勝訴へと導いてきました。

私も、弁護士業務で困難にぶち当たったときは、よく松尾弁護士に相談しますが、的確なアドバイスにいつもうならされます。

人なつっこく話がしやすいキャラクターも大変魅力的で、多くの松尾ファンが事務所にやってきます。

そんな松尾弁護士。私の兄貴分的な存在です。頼りがいのある身近な弁護士というイメージがぴったりです。

会務・役職・弁護団等

日本弁護士連合会消費者問題対策委員会 委員(平成19年~)
同委員会 副委員長(平成22年、23年)

日弁連でいう委員会というのは「会議」のことであり、各委員会は日本全国の弁護士会から推薦された190名ほどの弁護士で構成されています。
 報道されるような日本弁護士連合会名で関係機関へ提出される立法提言などの意見書の取りまとめ及び作成は、この委員会で行っています。
 私が所属しているのは、消費者被害救済のために立ち上げられた消費者問題対策委員会で、消費者被害の実情調査、有識者へのヒアリング、シンポジウムの開催など様々な活動を行っています。詳細は下記をご参照ください。
→日本弁護士連合会消費者問題対策委員会へ

大阪弁護士会 消費者保護委員会所属(平成11年~)
同委員会 委員長(平成28年度)

多重債務問題、クレジット・サラ金問題を担当する部会と割賦販売法プロジェクトチーム(平成22年度から創設。平成20年割賦販売法改正後のクレジット取引やクレジットを利用した消費者被害についての調査研究)に所属、活動をしており、割賦販売法プロジェクトチームでは、創設時から現在まで座長を務めさせていただいています。

内閣総理大臣認定適格消費者団体 消費者支援機構関西(通称:KC’s)
専門委員(平成21年~)

消費者契約法に基づく適格消費者団体である消費者支援機構関西(大阪市)の専門委員として、不当な消費者契約の使用差止の活動を継続的に行っています。

具体的には、弁護士という法律の専門家の立場で、定期的に開催される検討委員会に参加し、消費者から提供される情報を分析し、不当と思われる消費者契約の是正や使用の差し止めのための申入れ活動・不当な契約条項の使用差止訴訟の代理人などの活動を行っています。詳細は下記をご参照ください。
→消費者支援機構関西(KC’s)へ

奈良女子大学 非常勤講師(平成21年~)

平成21年~平成23年は「現代法概論」、平成24年以降は「法律学概論」という講義を担当しています。

講義の内容は、現代社会における法の紛争解決の機能やその運用の実情・問題点について、法律を専門としない学生にとって馴染みやすく、また興味深いと思われる複数の分野・問題を中心に、法律実務家の経験・観点から、具体的事例や判例、実際上の紛争解決のプロセス等を交えて解説するもので、学生が基礎的な知識を修得することを目的として講義を行っています。

たけうち被害対策弁護団、愛染蔵被害対策弁護団

主に高齢の女性をターゲットにして、展示会に言葉巧みに連れて行き、そこで高額の宝飾品や呉服を長時間・執拗に勧誘して、強引に、しかも何度も何度も売りつけるという、大きな社会問題にもなった呉服の過量販売商法の被害者救済のための弁護団です。

業者が提携している信販会社が提供するショッピング・クレジットを利用して、支払能力を遥かに超えた高額のクレジットを組ませることによって、手持ちの現金がない消費者に対しても次々に商品を売りつけ続けたことから、その被害は大きく拡大していました。

木村達也弁護士が弁護団長であったこともあり、私も弁護団の中心メンバーとして積極的に活動し、悪質呉服販売業者及び提携していた信販会社に対して損害賠償請求訴訟を起こすなどして、被害救済にあたりました。

クレジット過剰与信対策全国会議 副代表幹事

呉服の過量販売商法などのクレジットを利用した悪質商法が横行したのは、訪問販売などを規制する特定商取引法やクレジット取引を規制する割賦販売法の規定が、消費者保護や消費者被害の未然防止のために極めて不十分であったことが大きな原因でした。

そこで、個々の被害者の被害救済だけでなく、消費者被害の未然防止と被害救済の実効化のために必要と考えられる特定商取引法と割賦販売法の改正のための消費者運動を、クレジット過剰与信対策全国会議が中心となって行い、平成20年には特定商取引法と割賦販売法の大改正という大きな成果を得ることができました。

主要著書・論文

  • 「改正特商法・割販法の解説」(共著/民事法研究会)
  • 「判例・呉服過量販売被害救済の実務」(共著/全国クレジット・サラ金問題対策協議会)
  • 「書式・個人破産の実務」(共著/民事法研究会)
  • 「個人債務者再生手続Q&A」(共著/青林書院)
  • 「消費者被害の上手な対処法」(共著/民事法研究会)
  • 「呉服過量販売被害救済の手引き」(共著/全国クレジット・サラ金問題対策協議会)
  • 「クレジット過剰与信被害救済の手引き」(共著/全国クレジット・サラ金問題対策協議会)
  • 「破産法の法律相談」(共著/青林書院)
  • 「判例・貸金業規制法と救済の実務」(共著/全国クレジット・サラ金問題対策協議会)
  • 「違法収集証拠の排除による無罪」季刊刑事弁護第49号
  • 「債権法改正の争点 消費貸借-借主保護のための改正を」ジュリスト1439号
  • 「愛染蔵による呉服過量販売被害事件」現代消費者法13号
  • 「悪質商法被害におけるクレジット会社の積極的責任負担」消費者法ニュース第77号
  • 「年金生活者に対する宝飾品の過量販売について信販会社からの請求を全部棄却した判決」消費者法ニュース第83号
  • 「インターネット取引被害とクレジット決済代行業者に対する規制について」消費者法ニュース第85号、86号
  • 「提携リース取引について求められる法規制」消費者法ニュース第87号
  • 「2011年消費者法白書」(クレジット・リース担当)消費者法ニュース第88号
  • 「日弁連~提携リース取引を規制する法律の制定を求める意見書」消費者法ニュース第89号
  • 「日弁連・東京都消費生活総合センター訪問調査」消費者法ニュース第90号、91号
  • 「2012年消費者法白書」(クレジット・リース担当)消費者法ニュース第92号
  • 「2013年消費者法白書」(クレジット・リース担当)消費者法ニュース第96号
  • 「訪問購入規制の創設(平成24年度特商法改正)」消費者法ニュース第96号、97号

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